導入事例

星の誕生を観測する巨大パラボラアンテナの製造を、レーザートラッカーが支える

星の誕生を観測する巨大パラボラアンテナの製造を、レーザートラッカーが支える

case012_01.jpg2009年秋。海抜5,000mを超えるチリのアタカマ砂漠に、ヨーロッパ製としては初となる、ALMA(Atacama Large Millimetre Array)ラジオ・テレスコープ・アンテナが設置されました。雲の上、乾燥し澄み切った空というまれに見る条件を満たしたこの地で、60本のアンテナ(アンテナ1本の重量は100トン)がひとつの巨大なラジオテレスコープとして機能します。
あるときは直径15kmといった巨大なアンテナとして、またあるときは160×250mというた特殊な形状のアンテナとして、さまざまなアレンジが可能なインターフェロメトリーが、ALMA最大の特長です。キャッチした電波は、2,100m下にあるパーマネント・ステーションへと転送されます。

この計画はチリ政府協力のもと、ヨーロッパ・日本・北アメリカが参画する国際プロジェクトで、2012年には60ものアンテナが稼動する世界最大級の天文学プロジェクトです。
非常に精密なDuqueine社カーボン・コンポジット・ディッシュ・アンテナの裏にもまた、3次元測定器が活躍しているのです。

ヨーロッパのアンテナは、AEM共同体(Alcatel Alenia Space, European Industrial Engineering SrL, MT Aerospace)とその契約業者によって手がけられていて、Duqueine社もその1社として名を連ねます。
同社マーケティング/セールス部門長Jérôme Aubryは、こう振り返ります。
「アンテナ反射器市場は、ヨーロッパの名をかけた重要なプロジェクト。そこに入り込むのにはとても苦労しました。私たちは2006年の終わりから参画しています。」

遠い宇宙からの電波は、直径12m、高さ3m、重量5トンの巨大なパラボラアンテナでキャッチし、アンテナの中心部"パラボリック・ディッシュ"と呼ばれる部分で集められた後、レシーバー上で焦点に集約します。
驚くことに、巨大なパラボラアンテナ表面の許容は、±1.5mm以内だといいます。
「マイクロ計測コントロールシステム用のブラケットを表面に固定する必要があるため、このような高精度が要求されるのです。」と、プロジェクトリーダーのFrancis Sedeilhan氏は語ります。


case012_02.jpg契約の成立と同時に業務がスタートしました。
まずは、パラボラの寸法・許容を幾何学的に測定し、硬度・膨張性・耐風強度等を機能的に定義していきます。そして詳細設計へと入っていくのですが、約30人のエンジニアたちは、「コストを考慮した設計」と格闘することになったのです。
そこで選ばれた素材は、"394GPa"と呼ばれる極めて高い係数を持つnACGカーボン素材でした。この素材を使用することはすなわち、プレカットパネルを据える金型の作成と、カーボン切削・装備手配、焼温度/時間、ウォータージェットによる断片切削等の生産工程を明確にすることを意味します。
全ての組立作業はジグ上で、FARO Laser Tracker(レーザートラッカー)を使用した厳しい監視のもとで行われます。

Alcatel Aleniaから要求されるスペックに基づき、Duqueine社は、さまざまな金型から一つひとつの部品まで、そしてそれぞれの生産方法に至るまで詳細に定義しました。BUS弁は、ルーマニアのTimişoaraにある弊社工場で生産され、リヨンに近いMassieuの工場で組み立てられます。

2008年7月、初のBUSリハーサルプロセスが行われました。BUSが検査されると技術者たちはすぐに、4つのサポートアームを受信器と反射メタルサーフェースパネルに取り付けました。この際、位置決めの許容はなんと±25ミクロンでした。これらの精度を実現して、初めてアンテナは出荷されるのです。

同社プロジェクト・ディレクターAlexandre Guillermond氏は、以下のように語ります。
「金型と部品のサイズから考え、レーザートラッカーの存在が不可欠でした。アンテナの中心部に設置し、7mの範囲で高精度の測定が可能なのですから。度量衡学ソフトウェアでパラボリック・サーフェースを3D化し、設計案と比較できた点も大きなメリットでした。」
また、レーザートラッカー導入時のことを、同氏はこのように振り返ります。
「このような測定器を生産工程に導入したのは初めての試みでした。トレーニングを積んだスタッフを、各工場に1人配置し使用しています。航空宇宙業界用パーツを生産している工場への導入にも踏み切りました。このプロジェクトは弊社にとって大きなステップとなりました。」

この事例で使用されている3次元測定器は、FARO社製レーザートラッカーです。

FARO社ホームページで「FARO Laser Tracker」の最新モデルを見る

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